電子契約の成立の真正を争うための立証プロセス

裁判において電子契約を証拠提出する場合、裁判は現時点では紙で行われているので、電子契約によって締結した契約ファイルをプリントアウトして証拠を提出します。
 電子契約の成立の真正に争いがなければ問題ありませんが、成立の真正が争われた場合は電子契約に付帯する電子署名やタイムスタンプ等の表示画面を印刷して追加で提出することになります。
 過去に電子契約の成立を争った裁判を調査したところ、裁判における立証活動としては、

・電子契約の締結済み文書(PDFファイル)をプリントアウトして、それに付随する電子署名部分もあわせて1つの証拠として提出する。
・当該電子契約の仕組みについて解説した資料についてもあわせて提出する。

 という対応事例があり、電子署名はPDFファイルに署名パネルという形で付随しているため、プリントアウトした文書に付随するものとして1つの証拠として出すという形で対応されています。

 また、電子契約の仕組みについて、各社のサービスの仕組みが異なること、裁判官は電子契約に馴染みが薄いと思われることから、裁判官に説明するための資料もあわせて提出することが推奨されます。
 加えて、電子契約のファイルや電子署名、タイムスタンプの他にメールでのやり取りの記録(メールもプリントアウトして提出)、受領した本人確認情報もあわせて提出することが有用です。
 文書の成立の真正が争われる裁判においては「証拠はこれだけ出せば十分」というものはなく、成立の真正を立証し得る証拠であれば幅広く出しておくことが重要です。